前回の記事:CADを使って初めてのガレージキット制作 その2
●連載第三回
前回、いよいよCADで戦車ロボ作るぞ!って感じで終わってから、1年以上ぶりの更新となってしまいました。
ガレージキットを作ろうと思ったきっかけであり、目標としていたワンフェスへの参加が、コロナのせいでいつになったら実現出来るか、全く見当がつかないことになってしまった為、モチベーションが下がって長い間作っていませんでした。
それに加え、作業を進めれば進めるほど、このガレージキット製作が当初想像していたよりもずっと困難な事が分かってきた事で、さらに手が止まっていました…。
今回は、戦車ロボの原型CADデータを製作していく過程で、こうゆうデザインのメカをレジンキャストキットで作るのは難しいと気付いていった話です。
先に言っておきますと、最終的にレジンキャストキットは諦めて、3Dプリンターで出力した物を売ることに方針転換しています(笑)
ちなみに、レジンキャストキットとは、シリコーンゴムで原型から反転した型を取り、それにレジンを流し込み、固めることで原型と同じ形を量産する方式の模型です。
●パーツ分割を考えながら製作開始
まずは、レジンキャストキットの複製について模型誌やネットで調べ、既にあるポリゴン製のIV号H型を見ながら、パーツの分割方法を考える為に図にしてみました。
えっ!46パーツ?!
そんなパーツ数が多いガレージキット、買ったこともないよ。
ど素人の俺がいきなりそんなの作るの?
…いや、まだ頭の中で組み立ててる段階だから、分かってないことが多いはず。
とりあえずCADで作り始めれば、もっと上手くパーツ分割のやり方が思いつくかも知れない。
悩んでないで、まず砲塔部分を実際に作ってみよう!
砲塔だけで14パーツになりました。
図の段階では12だったんだけど、描き忘れてたパーツがあったから二つ増えちゃいました…。
なんか、最終的に全部で50以上のパーツになりそうです。
もっと減らそうと思えば減らせるけど、減らすほどに元のデザインから離れていってしまう…。
もうパーツ数が多いのは仕方ない、頑張って生産しよう…。
………。
●とりあえず形は出来た!
レジンキャスト用として、だいたい出来た状態です。
↓ 動画もあるよ。
(しまった、マフラーや膝の転輪のパーツが非表示になってしまってる…)
う〜ん、カッコイイ!
でも、パーツ数は全然減らせませんでした。
●やはり無理がある気がする
僕はこの戦車ロボをシリーズ展開して、この先ずっと売り続けたいと考えてます。
でも50個ものパーツを複製してやっと一機出来るようでは、そのうち面倒になってやめてしまいそうです。
この戦車ロボはレジンキャストキットに向いていないデザインという事にやっと気付きました。
データがほぼ出来てから…。
ちなみに、複製を業者に頼むことは利益が出そうに無いので考えてません。
もう作ったんだからこれで行くしかない!と思うんですが、これからやることの大変さを思うと全然やる気になれなかったです。
丁度仕事が忙しくなったので、『今は忙しいからアレの事は考えなくて良い』と、自分に言い訳をする変な精神状態になり、無駄に時間だけが流れていきました…。
●3Dプリンターが安くなってることに気付く
『3Dプリンターは高価な物なので、自分には手を出せるものでは無い』
そう思ってる自分のTwitterに、3Dプリンター出力品をそのまま売ってますという模型関連のリツイートが回ってくる事が増えてきました。
あぁ、何十万円もする3Dプリンターを持ってるお金持ちの人多いんだな〜羨ましいな〜なんて思ってたら、最近は3Dプリンターが安いみたいな事を言う人がいたりしたので、そんなまさかと思いつつ3Dプリンターについて調べてみたら超ビックリ‼︎
お金持って無い系オジサンな自分にも買える値段で、3Dプリンター出力品として売れるレベルの高解像度の物を作れる機種がある事を知りました!
何この『Sonic Mini 4K』っての!欲しい!!
何年か前に3Dプリンターについて調べた時は高解像度の物は高くて絶対買えないって感じだったけど、あれからどんどん新製品が出続けて、安く、高性能になっていったみたいです。
もし戦車ロボを3Dプリンター出力品として商品に出来たら、パーツ数問題は無くなるし、型から抜く関係で諦めていたディテールを加えることも出来る!
そう思ったら途端に元気になり、3Dプリンターについて熱心に勉強を始めました!
そんな訳で、まだよく分かってないけど、3Dプリンターによる出力品を売る方向で動く事に決めました。
いやしかし、意気消沈してレジンキャストキット製作を進められなくなったのが逆に良かった。
あのまま進めた場合、レジン複製のための真空脱泡機を作る予定でした。
その後に3Dプリンター出力品でいける事に気付き、方針転換をしたら、それなりにお金をかけて作ったのに全く使うことの無くなった真空脱泡機を、泣きながら倉庫にしまう事になってたでしょう(笑)
ちなみに、レジンキャストキットの原型CADデータは、どこか業者に頼んで3Dプリントしてもらうつもりでした。
●という訳で、3Dプリンターを購入
クラウドファンディングというのを初めてやって入手しました。
Sonic Mini 4K SK Editionです。
台湾のPhrozenというメーカーのSonic Mini 4Kを、3Dプリンター関連の商品を販売してる日本のSK本舗さんがカスタマイズした商品です。
画面表示も説明書も日本語という、英語が超苦手な僕にも優しい仕様となっています。
一時はどうなるかと思いましたが、これでまたモチベーションが上がって来ましたー!
次回は3Dプリンターでテスト出力をする内容かな?
続く…。
前回の記事:CADを使って初めてのガレージキット制作 その2
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